民医連新聞

2012年10月15日

共同組織こんなこと、できる

 10~11月は共同組織拡大強化月間です。安心して住み続けられるまちづくりをめざし、全国各地で活動している医療生協や友の会のとりくみを紹介します。

静岡健康友の会

通院の「足」まかせて

ドアtoドア送迎サポート

 静岡健康友の会では、通院する患者さんのための「ドアtoドア送迎サポート」を行っています。高齢になったり障害があって、静岡田町診療所への通院が困難になった人たちを、自宅から診療所までサポートする事業です。
 発端は年をとって通院が困難になった患者さんの存在に、友の会役員が気づいたことでした。診療所はこの報告を受け、「通院手段アンケート」を実施。年齢 が上がるとともに、通院手段が自転車から徒歩、そしてタクシーへと変わっていると分かりました。
 診療所や友の会のある静岡市田町地域の高齢化はすすむ一方で、高齢化率は市全体の二一・七%を大きく上回る三〇%(二〇〇九年)。また、診療所を利用する七〇歳以上の患者さんの二〇%が一人暮らしです。
 実は当初、通院に困っている患者さんを見かねて、個人的に送り迎えをしていた友の会役員もいました。〇九年一月に「送迎の仕組みづくりを」と、診療所と 友の会の「助け合い委員会」で協議を開始。同年四月から送迎サポートをスタートさせました。
 送迎サポートの対象者は、(1)友の会会員、(2)田町診療所に定期受診中、(3)七〇歳以上か、六五歳以上で介護保険で要支援I・IIと認定された 人、(4)送迎車に自力で乗降できる人、(5)診療所と覚え書きを交わせる人、といった条件を満たす人です。利用は無料で、市内全域を走っています。
 今年六月時点の利用者は八七人(男性二八、女性五九)で、診療所から片道一km圏内に住む人が約六〇%です。利用者からは「ありがたい」、「足が悪くなって、診療所に行けずに困っていた」などの声が届いています。
 当初は診療所の往診車を借りて一台で走っていましたが、寄付や協同基金を集めて二台目を走らせています。運転は、ボランティアドライバー三人と友の会事務局が引き受けています。

* *

 なお、友の会の「助け合い委員会」は、送迎サポートのほかに、一人暮らしの会員に定期的に電話をかける「お元気ですかコール」や、高齢者のお食事会、診 療所が行っている無料低額診療事業の対象になる方の発掘などにとりくんでいます。地域のSOSを受信できるよう、アンテナを高くして、求められるサポート ができるよう、努力したいと考えています。

(民医連新聞 第1534号 2012年10月15日)

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