民医連新聞

2012年9月3日

若者は組合をめざす ひとりで入れるけど、ヒトリにならない 首都圏青年ユニオン専従日記(11)~反貧困で生き抜く~ 文 山田真吾

 2008年元旦、東京新聞が「反貧困に希望が見える」と、「反貧困たすけあいネットワーク」について社説に書きました。07年にNPO法人自立生活サポートセンター・もやいと首都圏青年ユニオン有志が作った生活サポート団体です。
 同ネットは「生活たすけあい金」と「休業たすけあい金」の2つの助け合い制度が柱です。会員は毎月300円を6カ月払うと、生活に困ったときには無利子 で「生活たすけあい金」を、仕事を休んだときは、1日3000円、最大10日分の「休業たすけあい金」を受給できます。
 この制度は、ユニオン組合員が「安全にお金を借りられるところはないですか?」と質問してきたのがきっかけでした。詳しく聞くと「賃金未払いの会社を辞 めて、なんとか新しい仕事を見つけた。でも前の仕事は賃金未払いだからお金が全然ない。新しい仕事は月給制だから次の給料日まで1カ月あり、定期券が買え ないとせっかく見つかった仕事にも通えない。だからお金を借りたい」ということでした。
 労働基準法違反の会社と交渉して解決ができ、次の仕事が見つかっても、最初の給料日までの生活の保障がないと月給制の仕事には就けません。月払いより週 払い、さらに厳しい人は日払いの仕事へ。まずは、いつ、いくら入るか。労働者の足元を見るかのように、労働条件も悪くなりがちです。住居がない人が住み込 みの仕事に就いた場合は、仕事を辞めると住居を失うことになるので、より厳しくなります。
 助け合い制度とともに生活・労働相談窓口も開設。3カ月に1回、「ゆう茶房」というまったりお茶飲み企画を開催し、困ったことがあってもつながる仕組み を作っています。半年に1回をめどに「BREAD AND ROSES」という社会や政治を考えるイベントも行っています。
 低賃金や労働条件の悪化による貧困は凄まじい勢いで拡がっており、人と人のつながりを簡単に絶っていきます。だからこそ、反貧困でつながって、反貧困で生き抜くことが大切です。

反貧困たすけあいネットワーク
http://www.tasukeai-net.org

(民医連新聞 第1531号 2012年9月3日)

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