民医連新聞

2012年3月5日

全日本民医連 第40回定期総会 全議案を承認 新役員選出 大きな国民運動つくる「架け橋」に ―2年間の奮闘誓う

 二 月二三~二五日、全日本民医連は第四〇回定期総会を岡山市内で開きました。新綱領決定から初めて迎える定期総会で、東日本大震災・福島での原発事故から間 もなく一年という時期でもあります。全県連から参加した六〇〇人の代議員と全日本民医連理事らが、実践や意見を出し合い、方針案を深めました。運動方針、 民医連規約改定、決算・予算などを決定し、新役員を選出。住民置き去りの震災復興や「一体改革」をすすめようとする流れに、福祉国家を展望する医療介護従 事者としてたたかい、全国の仲間や広範な人たちとともに奮闘する決意を固めました。

 チェルノブイリの被曝者で歌手のナターシャ・グジーさんの歌とメッセージ映像で開会。皆木真一副会長の開会あいさつに続き、山本明広(岡山)、今村千加子(大阪)、水田加納(福岡)各代議員を議長団に選出しました。
 岡山民医連の太田仁士会長が歓迎の言葉を述べました。社会保障とは何か、を日本で初めて世に問うた「生存権裁判」をたたかった岡山で、社会保障の根幹に かかわる議論がされているいま、民医連総会が開かれることは意義深い。憲法を医療・介護に生かしましょう、と呼びかけました。
 藤末衛会長が理事会を代表してあいさつ。冒頭に、この二年間で亡くなった職員に黙祷を捧げました。津波の犠牲となった宮城の四人も含まれています。
 韓国・グリーン病院のヤン・ギルスン院長をはじめ、福祉国家構想研究会の後藤道夫さん(都留文科大教授)など六人の来賓があいさつ。全国自治体病院協議 会、日本慢性期医療協会、日本看護協会のメッセージが紹介されました。祝辞は六八団体から届いています。
 運動方針案を長瀬文雄事務局長が、規約改定案を岩本鉄矢副会長が提案。決算報告と予算提案を室田弘事務局次長が行い、会計監査報告がありました。選挙管 理委員会が役員選出について提案、代議員による信任投票を行いました。
 運動方針案に関する討論の冒頭で、利根中央病院(群馬)からのビデオメッセージが流れました。大震災への医療支援と並行し、全国が一一年四月から送りつ づけている九〇人の医師支援への感謝を述べる内容です。「全国からの支援に変化する勇気と前進する強さをもらった」という再建への決意で結ばれていまし た。
 討論では二四人が発言し、被災地での活動、原発事故問題、無料低額診療事業をはじめ、受療権を守る活動、水俣病の救済に幕引きを許さない活動、沖縄での 基地闘争、経営、医師増員や中小病院での医師養成を継続させる運動、後継者養成などについて語りました。
 討論は二日目の分散会に付託。夕方から神戸女学院の石川康宏教授の記念講演を聞きました。

熱い討論経て採決

 二日目は、分散会。一三会場で、のべ九〇〇本の発言がありました。
 三日目に全体会を再開し、三つの分散会の内容が報告されました。長瀬文雄事務局長が方針案や規約改定案への質問や意見に対する理事会の見解を述べて全体討論へ。一〇本の発言がありました。
 選挙管理委員会が八六人の役員候補全員が圧倒的多数で信任されたと報告しました。
 理事会の総括報告に続き、採決が行われました。運動方針案は反対三、保留一、規約改定案は反対四、保留五でそれぞれ圧倒的多数の賛成で採択。決算・予算 報告は満場一致で採択されました。また、特別決議と総会スローガンの採択、評議員・予備評議員の選出を拍手で承認しました。
 第八回民医連表彰は、五つの発表と二つの論文が受賞。水俣病についてまとめた髙岡滋さん・藤野糺(ただし)さん(熊本)など四人が登壇し賞状を受け取りました。
 続いて、福島県民医連の松本純会長が、全国からの支援に謝辞。全日本民医連からホールボディカウンター購入資金の一部を目録として手渡しました。
 退任役員二二人を代表して大山美宏前副会長があいさつ。新任役員を代表し、藤末衛会長が決意表明、閉会あいさつを山田智副会長が行いました。

第40回総会スローガン

○住民本位の震災復興・平和と権利としての社会保障を実現する新しい福祉国家への展望を創りだそう
○原発ゼロ・TPP不参加・社会保障・税の一体改革阻止・米軍基地再編阻止など日本の将来を決める運動の―架け橋―となろう
○健康権の実現めざした保健・医療・介護の実践と医師をはじめとする担い手づくりを一体に追求しよう

(民医連新聞 第1519号 2012年3月5日)

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