民医連新聞

2012年1月23日

「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」が発足 核時代を生きる人類の道しるべに

 原爆被害の実相や被爆者運動の記録を収集・管理し、核兵器廃絶に活用しようと「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」が昨 年一二月一〇日、東京で設立総会を開きました。今春にNPO法人化、今後三年間で集中的に資料を集め、公共機関として平和資料館の建設をめざします。(新 井健治記者)

 総会には全日本民医連顧問の肥田舜太郎医師をはじめ八六人が参加。副代表理事に中澤正夫医師(代々木病院)、理事に聞間元(ききまはじめ)医師(静岡・生協きたはま診療所)らを選出しました。
 呼びかけ人は全日本民医連の藤末衛会長、齋藤紀医師(福島・わたり病院)、女優の吉永小百合さん、精神科医の香山リカさん、作家の瀬戸内寂聴さんら一一三人が名前を連ねています。
 戦後六七年が経ち被爆者は高齢化、手記など貴重な資料が散逸する恐れがあります。会は収集を急ぐとともに、集めた資料が活用できるよう原爆資料館や図書 館など既存施設と協力して目録化、ネット上で幅広く発信します。
 代表理事に就任した岩佐幹三さん(日本被団協代表委員)は広島の爆心地から一・二キロで被爆。「母は全壊した自宅の下敷きになり焼け死んだ。私は助ける ことができなかった」と今も自責の念に駆られています。「被爆者の証言は核時代を生きる人類の道しるべ。記憶遺産として活かし、核兵器を廃絶しよう」と呼 びかけました。
 会の呼びかけ発起人で作家の大江健三郎さんが記念講演。「福島原発事故を見ても、核と人類は共存できない。私たちはヒバクシャという一番大事な言葉を持っている」と話しました。
 また、「悲しい」と「哀れ」の意味の違いを紹介しつつ、「哀れとは自分とつながっている人への共感の言葉。私は苦しんでいる人へ共感をもって話す言葉に感銘を受ける」と結びました。
 会は特に若者の参加を募っています。問い合わせは事務局(Tel〇三・五二一六・六〇二五)へ。

(民医連新聞 第1516号 2012年1月23日)

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