医療・福祉関係者のみなさま

2011年8月15日

かあさんの「ほのか」な幸せ~眠りっこ子育てetc.~ (6)拙著 『ほのさんのいのちを知って』 ご紹介の巻 文:西村理佐

 わが子がゲームになっちゃうのか…? ゲーム雑誌で有名な某出版社から、本を出さないか、というお話をいただいたときには、そんな風に冗談半分に受け止 めていた。かあさんは、帆花をおうちに連れて帰った半年後から現在に至るまで「ほのさんのバラ色在宅生活」と名づけたブログを書いているのだが、よく聞け ば、それをまとめた「育児本」のような形で、子育てしているママパパ向けに出版しようという至ってマジメなお話だったのだ。「育児本」と言っても、それは 人工呼吸器がくっついた眠りっこの、ちょっと特殊な子育ての話。生まれてから「おうちに帰る」という当たり前のことをするまでにしてきた役所との交渉、ケ アの特訓、在宅生活を支えてくださるチーム探し…と、いま思い出しても血のにじむような(!)苦労がてんこ盛りであり、本の巻頭ページには、誕生から1年 6カ月にして、その経過を年表形式にして表したという貫禄の育児本となった。
 本の土台は既にブログに綴ってきた内容であるとはいえ、書き下ろし部分があったり、脚注を付けたり、ゲラのチェックさえも、万年寝不足、注意力を常に帆 花に向けていなければならない生活の中では、半ベソで作業した日もあった。だが、帆花の難しいケアや機械類の説明などを、可愛い上に忠実なイラストで描い てもらえたことなどは貴重な財産となった。7月で在宅生活3周年を迎えたいまも、この本を手に取ると、「いのちの誕生」を思い出すことができ、帆花のいの ちに関わってくださったたくさんの方々のお顔を、感謝と共に思い出す。
 帆花は「マトリョーシカ」グッズが好きで集めている。それにちなんだ表紙の3人のマトさんの絵には、ちょっとした仕掛けがある。それは編集部の方々とイ ラストレーターさんからの嬉しいサプライズだった。そう、それは「人工呼吸器は帆花の個性」と言っていたかあさんの気持ちそのものだったのだ。

(民医連新聞 第1506号 2011年8月15日)

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