医療・福祉関係者のみなさま

2011年3月21日

フォーカス 私たちの実践 職場の環境改善ツール 宮城 古川民主病院 「GP賞」に8職場が参加 メンタルヘルス対策に期待

 ス トレスの多い医療・介護職場は、メンタルヘルス対策が大きな課題です。宮城民医連の古川民主病院では、院内安全衛生委員会が「GP賞(グッドプラクティス 賞)コンテスト」を実施し、職場環境の改善をすすめています。そのユニークなとりくみを、衛生管理者の只埜則恵さん(保健師)に報告してもらいました。

 当院は今年度初めて「GP賞コンテスト」にとりくみました。GP(グッドプラクティス)は「良好実践」の意味です。日本産業衛生学会がすぐれた産業保健活動を表彰するGP賞を設けており、そのネーミングを引用しました。
 コンテストは「医療施設等におけるメンタルヘルス向上のための職場環境改善チェックリスト」(労働科学研究所発行)を参考にしました。これは、メンタル ヘルス対策用に職場環境改善のツールとして開発されたものです。メンタルヘルス対策には勤務条件と職場環境の改善がともに大切で、ストレスの背景になる 「働き方」を職場が主体となって改善していくとりくみが重要です。
 とくに医療現場はストレスフルですが、職場のよい点も確認し、できるところから職場環境を改善することで働きやすくなります。これで仕事上のストレスが 少し減って、メンタルヘルス対策につながるという考え方に基づいて計画を立てました。

職場の団結が深まる

 コンテストには八職場が参加。昨年七月から一一月まで、職場のよい点と問題点を出し合って改善計画を立て、一万円以内という限られた経費でいかに効果的に改善できたかを競いました。
 審査の結果、最優秀賞がデイケアほほえみの「看板の手直し」に、優秀賞が介護事業課の「面談室と休憩室の設置」、審査委員長賞が外来部門の「自動血圧測 定コーナーの設置」、アイデア賞が検査室の「署名コーナーの改善」に決定しました。昨年末の仕事納めで表彰し(副賞あり)、一月の全体学習会で報告しまし た。
 最優秀賞を受賞したデイケアほほえみは、ぼろぼろだった看板を送迎アルバイトの力も借りて、一一人のスタッフ総出で作り直しました。看板枠に使った木材 は近所の河原から拾ってきたもので、約七〇〇〇円の出費ですみました。
 看板の写真は県連の『共済会だより』新年号に掲載され、写真コンテストでも金賞を受賞しました。また、今回のGP賞コンテストのとりくみを、一月に行わ れた宮城厚生協会の業務改善小集団活動第三回発表大会で発表し、感動賞をいただきました。
 職員のがんばりが、なかなか数字に現れにくい厳しい経営環境のもと、職場の皆でできるところからとりくんで労働環境が改善し、評価されることで働く意欲 につながります。また、コンテストを通して職場の団結が深まり、活性化につながりました。継続することで、メンタルヘルス不全の悪循環から抜け出せること を期待したいです。

(民医連新聞 第1496号 2011年3月21日)

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