医療・福祉関係者のみなさま

2011年3月21日

全日本民医連・看護改善推進本部が要望 看護師免許証の交付をすみやかに ~看護師確保(需給計画)、特定看護師(仮称)問題でも~

 看護改善大運動推進本部は二月二五日、看護師の増員や看護師免許証交付の実務改善を求めて、国会議員要請や担当官との懇談などを 実施しました。参加者は窪倉みさ江副会長を先頭に各地協代表の看護師など二二人。また、第七次看護職員需給見通しと、特定看護師(仮称)について厚労省の レクチャーを受けました。(小林裕子記者)

 差し迫った問題は、看護師免許証の到着が遅いこと。そのため、国家試験に合格しても看護師として働けない人がいたり、病院では診療報酬上「7対1」「10対1」看護の人員にカウントできません。個人も病院も不利益を被っています。
 国家試験の合格発表(三月二五日前後)からすぐ「看護師免許申請書」を出しても免許を手にできるのは一カ月先。とくに二〇一〇年は遅れ、三月二七日に申 請したが、登録日が四月三〇日、到着は五月四日という県もありました。
 この件で民医連は厚生労働大臣に「看護師国家試験合格者に、全国一律で四月一日までに看護師免許をすみやかに交付」するよう改善を求める要望書を提出。
 対応した厚労省試験免許室の担当官に業務の実態を質問すると、「四万件の申請を職員七人で先着順に登録していた。処理できるのは一日二〇〇〇件ほどなの で遅れた」との説明。改善策を問うと「臨時に人を雇って対処する」と答弁しつつ、請負い業者の入札も補充人数も「これから」と。民医連は「それが『お役所 仕事』」と批判もし、確実な改善を求めました。
 また、診療報酬「7対1」「10対1」看護にかかわる病院の不利益をなくすための措置も要望しました。厚労省は「法律上、免許を交付された者が看護師だ から、措置は不可能」などと答弁しましたが、「要望をもち帰る」との結論になりました。

[厚労省レクチャー]
 需給計画
 現場の実情は反映?

 田村智子参院議員(日本共産党)を通じて、(1)看護師増員の今後について、(2)特定看護師(仮称)について、厚労省医政局看護課の担当官からレクチャーを受けました。
 第六次需給計画は二〇一〇年度末で、五・六万人の不足という結果に終わりました。途中で短時間勤務者の常勤換算を取り入れたこと、「7対1」看護が導入 されたことが要因。第七次では、二〇一五年末で一・六万人の不足までギャップが縮み、充足率九九%になるとの説明でした。しかし、この数値の根拠は、各事 業所に都道府県がアンケート調査して集計し、政策を加味したもの。「これを達成するには、対策を続行することになる」との説明でした。また看護師の定着・ 再就職・養成にかかわる施策では、昨年度の予算が使い残されている問題も出され、「都道府県の持ち出しがある事業になっているため、執行されていない場合 が多い」との説明でした。参加者らは「予定通り到達できなかった場合、年度途中でも見直し、計画は最低限の数値と認識して確保をめざしてほしい」と要望し ました。

「特定看護師(仮称)」
 チーム医療推進?

 特定看護師(仮称)については「チーム医療推進のための看護師業務検討ワーキ ンググループにおける検討イメージ(案)で検討中」との説明でした。それに対し「医師不足が背景にある」「拙速。制度創設前に現場の労働を改善し、看護師 の二大業務がきちんと遂行できるようリーダーシップを発揮してほしい」と要望しました。「三月までにガイドラインをつくり、その姿を提示する」との話でし た。
 また看護師資格をもつ国会議員三人に、看護師不足や労働条件の見直しなどで要請しました。これらの行動を終えて、窪倉副会長は「今後も政策について注視しながら、運動を続ける」と表明しています。

(民医連新聞 第1496号 2011年3月21日)

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