民医連新聞

2007年10月1日

税金・減免制度…「何でも相談」 困ったときは、迷わず友の会へ 共同組織活動交流集会で発表 千葉・船橋二和病院 健康友の会

 千葉・船橋二和病院の「健康友の会」は、常時「何でも相談」を受けています。今年もすでに八〇件を超えました。最近、増えている のが税金の相談です。高齢者が増税され、雪だるま式に医療や介護の負担が増加している今、税制をよく知ることは他の負担を減らす「決め手」です。「気軽に 声をかけられる窓口になって、会員の生活を守りたい」と奮闘を続けています。(小林裕子記者)

 「税金の制度をよく知らないために、余計な負担に泣いている例が多い」と稲田悦郎さん(友の会事務局次長)。仲間とともに相談にあたっています。
 鎌ヶ谷市に住む高齢女性の例。友の会入会をすすめたところ、「年会費一〇〇〇円がたいへん」と。聞くと「収入は遺族年金と国民年金だけで、国保料が月二 〇〇〇円にもなる」という話です。稲田さんはピンときました。「遺族年金は非課税、こんなに高い国保料になるはずはない」。さっそく「住民税の申告をすれ ば、国保料は一万三〇〇〇円も戻ってきます。会費一三年分ですよ」とアドバイス。とても喜ばれました。
 「税金払うほど収入がないから、税金の申告などしたことがない」という人が多くいます。しかし、各種の減免制度などは税金の申告書や申請書を出さなければ受けられません。役所でよく説明されない場合もあります。

「入ってよかった」友の会へ

 相談は班会や事務所で、電話でも受けます。毎月の「友の会デー」でも相談会をします。友の会には稲田さんのほか税金に強い人が数人います。三年前からは、確定申告の時期に合わせ、自力で「税金相談会」も開催しています。
 〇五~〇六年に税制が変わり、船橋市では、新たに七三五一人が課税になり、介護や医療費の減免、福祉制度の対象外になりました。
 友の会に社保活動部があります。メンバーの須藤清さんは「長生きして悪いような制度はおかしい」。東條春昭さんも「制度が次つぎ変わり、分かりにくい。 みんな困っている」と憤ります。社保活動部でも勉強会をしています。渡辺久美子さんも「制度を知らせることが大切」と言います。
 「友の会を『入っていてよかった』という身近な存在にして、会員を増やしたい」。これが部員共通の思いです。

鳴りっぱなしの電話

 相談活動は、介護保険が始まった二〇〇一年から。友の会や市民の運動で保険料の減免制度ができ ました。ところが市は制度を知らせることに消極的。業を煮やした稲田さんらは、年収ごとに減免額の計算表をつけたチラシで宣伝、友の会の機関紙「ふれあ い」に折り込みました。とたんに事務所の電話が鳴りだし、「一〇〇件はきた」というほど。地域で開いた説明会は、どこも満席でした。
 それを機に「ふれあい」の毎号に、各種の制度を知らせる「ご存じですか? こんな時にはぜひご相談ください」の連載を始めました。二和病院の職員も執筆 に協力し、五五回を数えました。これを見て会員さんが相談してきます。

一人で悩まないで

 課税になって介護施設の負担が月一〇万円も増えた人、息子が低賃金なのに同一世帯のため課税になった高齢者もいます。稲田さんたちは、相談に胸を痛めながら、「いっそ世帯分離しては?」など知恵を絞ります。
 「一人で悩まないで。専門家に頼むほどじゃないが、ちょっと聞いてみたいことは友の会へ。生活保護や病気のことは、病院の相談室に紹介します。困ったことは二和病院へ」と呼びかけています。
 友の会は、同院の相談室長・松本若菜さんが「税のことでは聞きにいく」というほど。お互い頼りになる存在になっています。

(民医連新聞 第1413号 2007年10月1日)

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