民医連新聞

2007年8月20日

9条は宝 発言(28) 卒業製作に平和DVD 同世代に観てほしい 山梨民医連平和学校第一期生

谷川 明久さん
石和共立病院 理学療法士 入職2年目

吉野 美佐さん
甲府市地域包括支援センター きょうりつ SW 入職8年目第1期実行委員長

 山梨民医連は、県連独自で平和学校にとりくんでいます。第一期生は、入職一年 目から九年目の青年職員九人。〇六年一一月から半年間、学習内容を自分たちで決め学びました。「見て聞いたことを映像で伝えたい。学んだことを一人でも多 くの人に知らせたい」と卒業制作としてDVDを作成し、〇七年五月、県連の総会で発表しました。

職場の呼びかけで参加

 最初は職場から「平和学校に参加してみない?」と呼びかけられ、仕事の延長線のように思っていました。
 第一期生なので、長野民医連平和学校の実行委員長に相談し、学習内容は自分たちでも話し合って決めました。
 開校式で、沖縄戦体験者の親里千津子さんの話を聞きました。「あきらかに米軍の力が強く、かなわないのは目にみえていたのに、竹ヤリの練習は続いた。戦 後、憲法ができて、これでもう戦争はないと思ったのに…。戦争になったら何も言えなくなるから、いま一人ひとり何ができるか考えてほしい」という言葉が印 象に残りました。
 卒業までに「沖縄に行こう」と決めました。だけど、私たちは戦争についてあまりに知らなさすぎる。このままではダメだと思い、靖国フィールドワークや横田基地見学をしました。
 靖国神社の遊就館では、「戦争はやむを得ずして日本は果敢に戦った」と、戦争賛美があからさまでショックでした。横田基地では輸送機が着陸していて、そ の大きさと飛行の低さに衝撃を受けました。初めて米軍への「思いやり予算」について考えました。

公道で銃を構える米軍

 今年二月、沖縄に四日間行きました。沖縄民医連の協力もあり、嘉手納・普天間基地、ひめゆり資料館、アブチラガマなどを見学しました。辺野古での座り込みは一〇三一日目。先の見えないたたかいだけど、現地の人たちは毎日何時間も座り込みを続けています。
 沖縄に行って二日目、偶然、米軍のパラシュート降下訓練に遭遇したのです。この訓練は八年ぶりで、日米の協定を無視して行われました。船で近づいてみる と、真っ黒い物体がフラフラ降ってきて不気味でした。緊張で体が動かなくなったけれど、パラシュートが海に落ちたところにみんなで寄って行って、何度も抗 議しました。
 私たちはその後、新基地建設反対とパラシュート訓練抗議の緊急集会にも参加しました。
 基地外の歩道で米軍が銃を持って座っていたり、海岸に戦車が止まっていました。琉球新聞では一面に載っていても、本土の新聞ではほとんど報道しません。沖縄に行ったから、知ったことばかりです。
 いまもこの日本で戦争の準備がされているなんて! 沖縄の日常、沖縄の人たちの必死な思いを知りました。

映像と音声で伝えたい

 沖縄から帰ってきて、平和学校卒業に向けてDVD製作にとりかかりました。知ったことを静止画ではなく、映像と音声で伝えたかったのです。資料編集班と シナリオ作成班に分かれました。それぞれ職種も院所も違うから集まりにくく、スムーズにはいかなかったけれど、県連の総会でDVDを見た職場の先輩から、 「みんなのがんばる姿に涙が止まらなかった」と言われ嬉しかったです。平和や活動に興味がなかった後輩が、このDVDを見て第二期生に参加してくれていま す。
 DVDをつくることで、私たちもこの半年間を振り返りました。「やっぱり平和は大事」って思います。だから、いま私たちが動かなければいけない。意見を 言ったり、署名や運動に参加したり、できることから始めています。アキラメナイ! 政治に無関心な同世代に関心をもってもらえるように、平和学校で学んだ ことを伝えていきます。
 いっしょに学んだ第一期生は、いまも声をかけ合う関係です。仲間づくりってできるのだと実感しています。

(民医連新聞 第1410号 2007年8月20日)

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