医療・福祉関係者のみなさま

2010年4月19日

公約どうした? 鳩山さん 後期高齢者医療制度 すぐ廃止を

  四月三日、東京・明治公園で「後期高齢者医療制度はいますぐ廃止! 安心の医療実現! 4・3大集会in東京」が行われ一万人が参加しました。後期高齢者 医療制度の即時廃止は多くの高齢者、国民の声です。公約に掲げた「廃止」を民主党と政府に対して、「違反するな」の怒りを突きつけ公約の即刻実現を求めま した。(村田洋一記者)

保険料率アップ24都道府県

 年金者組合東京都本部の執行委員長・金子民夫さんは「四月一日、東京都は後期高齢者医療の保険 料を四一六五円引き上げました。しかし、六割の人は低所得の軽減措置にかかり値上げにならなかった。それほど低い所得で、やっと食べている状態だというこ とです。この制度が強行実施された時『年寄りは早く死ねということか。長生きは悪いのか。姥捨て山か』『生きる希望を奪われた』とみんな怒った。ところが 鳩山内閣はそれを忘れちゃったみたいなんです。さらに、廃止を先延ばしにするだけではなく、この姥捨て山を七五歳から六五歳に引き下げ、広げようとしてい ます。お金がかかるので、高齢者は病院に行きたくても行けなくなった。今日の集会に足を引きずりながら、あるいは杖を突きながら来たのは、怒りが沸騰して いるからです。みなさんと連帯して、どうしても廃止させたい」と発言しました。
 東京保険医協会・拝殿清名(はいでんきよな)会長、東京医労連の結核予防会労組・菊地愛子委員長、東京土建一般労働組合・巻田幸正中央執行委員長、 「梅ヶ丘病院の存続を求める家族と都民の会」の池崎吉次さんが決意表明しました。

対象を65歳に?

 連帯あいさつに立った全日本民医連・藤末衛会長は、四月一日に二四都道府県で後期高齢者の保険 料率を引き上げたこと、さらに制度の対象を七五歳から六五歳に引き下げる検討案を批判。「鳩山首相に申し上げたい。近く参議院選挙があるのをお忘れではな いか? 国民は政策を変えたいから政権を交代させた。国民の意見を聞かない政権に未来はない。即時撤廃を求め、いのちの平等を政治の最優先課題にさせよ う」と力強く訴えました。厚労省発表では三一都道府県で保険料額が上がります。
 集会には小池晃参議院議員も駆けつけました。「公約を守るのは政党としての最低限の責任」と民主政権を批判し、廃止への道筋を訴えました。

年寄りいじめだ

 集会に参加していた中野共立病院の紀田博一さん(事務)は「今日は健康友の会の人たちもたくさん集まっています。高齢者が自分たちの問題として怒っている。いっしょにがんばりたい」と決意を語りました。
 健康文化会・桐ヶ丘団地診療所看護師長の及川美登栄さんは「一万人が集まって力を感じた。この声を国政に届けたい。診療所に来る高齢の患者は『七五歳を 過ぎたら、医者にかかるのも長生きしてもいけないのか、年寄りいじめだ』と怒っています。何としても廃止させたい」と語りました。

著名人も反対

民医連など記者会見

 四月六日、全日本民医連を含む一三の呼びかけ団体が記者会見し、「後期高齢者医療制度の即時廃止を求める共同声明」を発表。賛同を寄せた個人・団体を明らかにしました。
 呼びかけ人を代表して、保団連の住江憲勇会長は「社会発展に寄与してきた高齢者は、すでに社会的責任も拠出能力も果たし済みの方々だ。このような差別医 療の強制があってはならない」と強調しました。全日本民医連の長瀬文雄事務局長は「国は後期高齢者医療保険料が上がらないようにすると言ったが予算措置も せず、自治体任せにしたために保険料が引き上げられた」と語りました。
 「共同声明」は後期高齢者医療制度に対する国民の怒りが、昨年の政権交代をもたらした大きな要因のひとつであり、現政権が制度を継続するのは公約違反で あると指摘した上で、(1)直ちに後期高齢者医療制度を廃止し、もとの老人保健制度にもどすこと、(2)その際、国庫負担を増やすなど保険料の負担増が生 じないよう必要な措置を講じること、(3)医療費の窓口負担の軽減を図ること、を求めています。
 「共同声明」の呼びかけに応えて賛同を表明したのは、個人では、宇沢弘文、多田富雄、日野原重明、常盤新平、崔洋一、香山リカ、大谷昭宏、大橋巨泉など (敬称略)三一人です。団体では患者団体、福祉団体、労働組合など二九におよんでいます。

(民医連新聞 第1474号 2010年4月19日)

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