民医連新聞

2006年12月18日

増員求め民医連看護師が国会集会 自民党議員「財政削減生きすぎ」

 一二月六日、三六県連の看護師九五人が国会議員会館で集会を開き、「看護師を増やして」と厚労省と議員に要請しました。事前に要 望書を全議員に配布。集会では自民党・民主党・共産党の議員があいさつ。この間の署名や運動が「看護師不足は国民的重大問題」との認識を広げました。この 日、八五万筆中、六三万六七五筆を提出しました。(川村淳二記者)

 山本公子副会長は「八五万筆超の署名は医療関係者、患者・国民の願いの表れ」と強調しました。集会には、自民党を含め議員六人と秘書八人があいさつに訪れ、朝日、読売が取材に。
 民主党は「日本の医療スタッフは先進国の中でも少ない。重要な問題としてとりくむ」とのべました。自民党の議員でさえ「財政削減のしわ寄せ、行き過ぎは是正が必要」と発言しました。
 集会に通しで参加した共産党の小池晃参院議員は「米軍再編に三兆円、大企業の法人税引き下げなどの誤った政策を中止すれば財源は出る。現場が厳しい中、 政府の潜在看護師の復職に頼るだけの計画では無理。様ざまな対策を求めていく」と見解を示しました。

し烈な獲得競争が

 各地の現状が出されました。「卒業生六五七人のうち、県内に三二四人しか残らない」(奈 良)。「大学病院が抱え込むため、中小の民間病院に看護師が来ない。ベッド閉鎖したり、総師長が現場に入る事態だ」(東京)。「地域で救急を受け入れる病 院が激減した。当院は管内の三分の一を受け入れるので、7:1にしたのに、楽になった実感がない」(青森)、「大病院から引き抜かれ退職希望が増加。在宅 から病院へ異動させざるを得ない」(福岡)など、深刻な報告が続きました。
 特に中小病院・在宅分野の看護師不足が激しく、在院日数短縮で早期の退院を迫られた患者の行き先が困難になるなど、政策的な矛盾・悪循環は明らかです。
 集会の後、一四班に分かれて、衆参の厚生労働委員七〇人に要請に。対応した社民党首の福島みずほ参院議員は、「看護師不足や医療崩壊には関心を持っている」とのべました。

厚労省の不見識

 請願行動と並行して、厚労省交渉も行いました。「7:1導入が想定されていない需給計画は見直すべき」 「北海道では、産科・小児科が閉鎖し、実習に遠方の病院まで行かねばならない」 。早急な実態把握と、需給計画の見直しを要求しました。
 厚労省側は「養成数は都道府県の検討事項」、「看護師不足は離職防止と、雇用形態の多様化などで潜在看護師を活用し対応」と言い「見直さない」との回答 に終始しました。「安全な医療を提供し、離職率を下げるには増員が必要」「多様な雇用形態は解決にならない」など反論しました。

*  *

 まとめ集会では、長瀬文雄事務局長が、「運動が世論を喚起した。県にも要請を強め、需給計画の見直しを迫ろう」と激励。澤田朋子理事が「一〇〇万筆めざし引き続きがんばろう」とまとめました。

(民医連新聞 第1394号 2006年12月18日)

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