民医連新聞

2002年6月11日

「学習教育月間レポート」 方針学び実践に

 各地で学習教育月間がとりくまれています。「総会方針学び、職場から実践を」と、いまの国会情勢にもあわせ、工夫と知恵を凝らしたユニークな実践報告が寄せられています。

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気になる患者の事例もち国会へ

群馬

看護・教育・社保各委員会が連携で

 県連主催で2度の職責者研修会を行い講師を養成しました。看護委員会と教育委員会が呼びかけて「気になる患者事 例」を集約。まとめて国会要請行動に持参しています。地元選出の国会議員にも届け、医療改悪に反対するよう申し入れています。国会行動には職場から交替で 参加。地元群馬にある議員事務所にも要請に回っています。
 五月二九日、傍聴に国会に来た利根中央病院・老健施設の小野塚衣子さん(看護師)は「精神科デイケアでは、家庭にひきこもりがちな患者さんに家庭訪問な どして社会に出る働きかけが大事なのです。看護師が患者さんと十分に関われる制度が必要なのに」。
 介護士の杉木祥八さんも「特養や病院に入るべき患者さんが老健施設に入所せざるを得ない。それもほんの一部の人しか入れない。まず施設をもっとつくるこ とが必要です。医療の安全性を最優先するためにも大きな声をあげないと」「与党議員にはたくさんの署名の背景にある庶民の苦しい思いをみて、何が一番大切 なのか考えてほしい」と医療改悪を批判。「帰ったら職場で報告して次の学習や行動につなげたい」と衆院予算委員会の傍聴に向かいました。

“青年の元気ひきだそう”

石川

30歳以下職員対象に「なんでもトーク」連続開催

 「この厳しい時代、青年職員の元気がなければ乗り越えられない」と、県連教育委員会では、青年職員に焦点をあて、学習教育月間の準備をすすめてきました。
 県連が企画しているものが「青年なんでもトーク」です。30歳以下の青年職員が、半日かけて話し合うという初めてのとりくみです。六月四日をかわきり に、一回の企画には30~40人が集まり、7週行って約300人の青年職員が参加予定。
 討論テーマは「患者さんが自分にもとめているものは、何だと思いますか?」。「トーク」の運営委員会には院所管理者も加わっていますが、企画本番には参加しません。「素朴な疑問や本音が気兼ねなく出せるように」との配慮です。
 県連内の職員構成は全体の三分の一を30歳以下の青年職員が占めるようになりました。とりわけ老健施設など、福祉分野の職員には青年の割合が高い上、医 療分野には馴染みがないので、自分の仕事と、民医連の方針とのつながりが、わかりにくいという悩みがあります。今回の企画で、少しでも方針を自分たちのも のにしてほしい、法人・職種を越えた仲間づくりにもなれば、と思います。

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 その他、各院所でも、「気になる患者訪問」、「患者さんから戦争体験を聞く」など、工夫されたとりくみが報告されてきています。三月からの方針討議の内容を、五、六月で具体化しよう、というのが私たちの目標です。(石川民医連教育委員会・山根恵子

JB推進委で合宿総会方針学習

京都

 【京都発】講師養成講座に参加した105人が職場で推進者に。夕方や休診日を利用した学習がすすめられ、週のニュースも発行。
 5月20~21日に行われたJB推進委員会の拡大合宿でも総会方針学習が。講師は川原正京都民医連事務局長で、15人が参加。「ポイントと読む目的が理 解できた」「患者さんと話す機会がなく、働きがい・生き甲斐って何だろと悩んでいた」など率直な意見も。
 吉祥院病院の青年職員が事例を次のように紹介。
 一週間に国保未加入の患者さんが5人来院。1人は働くことができず2年前から無保険。転帰覧には5回も中断の記載が。上司に相談すると、『国保加入は今 からでもできる。いっしょに区役所に行っておいで』と。本人に国保加入を勧めると、『以前に区役所に行ったが、滞納があると取り合ってもらえなかった。と りあえず9000円持っているので痛み止めの薬を下さい。区役所には行かなくてもいい』と。『これからのことを考えて』と説得し区役所に同行。国保の加入 と41公費が確定し、『900円で受診できた。吉祥院病院に来てよかった』と言われました。まざまざと現実を見せつけられました。

総会方針と長期計画を結んで

山梨

 【山梨発】5月30日夜、全日本民医連の長瀬事務局長を講師に職責者の学習会を開催。民医連綱領を中心に学習しました。友の会の役員も含めて350人が参加。これを力に職場ごとに学習会や読み合わせを行い、全員の読了をめざしています。
 「職場がんばり表(週報)」で、読了した職員・院所と職場学習会の開催と参加者、全日本民医連の「医療・福祉宣言」の読み合わせ、一週間の特徴と意見を 集約しています。県連では、35回総会と有事三法の問題、医療の安全性の問題、県連第三次長期計画を結びつけてつかもうと呼びかけ。石和共立病院では24 日「有事法制と医療」の学習会を開催。また「月間ニュース」を発行しています。甲府駅前診療所では30日に職場学習会を開催。
 がんばり表では「連休明けから毎朝10分間読み合わせ、10日間かけて読み切った」職場のとりくみや、新人看護師が「40%くらいわからない」、3年目の看護師は「理解できる。厳しさが伝わってくる」との感想が記されています。

講師養成講座を開催

沖縄

 【沖縄発】5月11日、那覇市内の都ホテルで第35期学習教育月間・講師養成講座を開催、91人が参加しました。総会方針は、コンパクトになったとはいえ、内容は非常に濃いもの。講師の全日本民医連の廣田憲威理事は、各章ごとにポイントや具体例にふれ、2時間半たっぷりと講義。
 久しぶりに民医連方針を学ぶ機会となった今回の養成講座に「あらためて学習への意欲がでた」「まだ自信はないが自分の言葉で語ってみたい」などの感想が 寄せられました。また、院所からは「民医連の原点である生存権、受療権を守るたたかいがより重要になってきた」「特定療養費の問題は沖縄でも大問題、患者 負担増をやめさせる運動を広げなければ」などの声もあがっています。

(民医連新聞2002年06月11日/1278号)

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