いのちと人権を守る

2009年7月6日

被害者の苦しみを聞け 国と加害企業へ公害総行動

六月一~二日、全国公害被害者総行動が東京でとりくまれました。今年で三四回目を迎え、被害者救済と公害根絶を求め、デモや集会、対政府・企業交渉などを行いました。民医連の職員も、患者の付き添いや医療班で多数参加しました。
 一日夜。日比谷公会堂で開かれた総決起集会には、全国から一〇〇〇人を超える人が参加しました。水俣病、大気汚染、諫早湾の閉め切り、米軍基地被害、薬害など、さまざまな公害被害者が集まりました。
 今回からアスベスト被害者も参加。大阪・泉南アスベスト国家賠償訴訟を勝たせる会の伊藤泰司事務局長は「他の公害と違うのは、全国どこで起こってもおか しくないところ。アスベストを使った建物の解体のピークはこれからです。この裁判は、国が被害を知っていながら何もしなかった責任を問うもの。絶対勝ちた い」と決意をのべました。
 原告の家族も「母は石綿肺と続発性気管支炎のため一日中ベッドの上。『胸の苦しみと咳のつらさ。もう死んでしまいたい。何の楽しみもない人生だ』と私に 言います。ただ見守ることしかできない。でも集会に参加すると、私たちだけじゃない。本当に勇気と力をもらった」と語りました。
 二日は、朝から日本経団連前や加害企業前で宣伝・交渉。水俣病の原因企業であるチッソ本社前では原告や弁護団など数十人がビラをまき、訴えました。交渉 を求めて代表団がビルに入りましたが、チッソ側は会おうとしませんでした。
 大石利生原告団長は「水俣病の症状は外見からは分からない。例えば、自分の肌に傷をつけても痛みを感じません。血が出て初めて傷ついたとわかります。そ ういう体にしたチッソは、なぜ会おうとしないのか。私たちの苦しみを聞き、被害者を最後の一人まで救済しようという気はないのでしょうか」と訴えました。
 最後に厚労省前に集結し厚労省に向けて声を上げました。東京高裁判決が出たばかりの原爆症認定集団訴訟の原告も加わり、早期の全面解決を訴えました。

(民医連新聞 第1455号 2009年7月6日)

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