民医連新聞

2006年5月1日

看護もっと働きたいの (14)起こすぞウエーブ 公立・市立のワク超え集まった 「いい看護がしたいねん」―大阪

各地で看護フォーラムが開催されています。今回は、大阪で四月一六日に開かれた「語り合うことからはじめよう! おおさか看護フォーラム」について、大阪民医連の宮川光代さんが寄稿しました。労働組合とも共同して署名宣伝行動をすすめるなかで、実現しました。

 「いい看護がしたいねん」。この看護師に共通する思いで共同しようと、大阪民医連看護委員会は、医労連・自治労連といっしょに三回の署名宣伝行動を行いました。

 そして四月一六日に、「語り合うことからはじめよう! おおさか看護フォーラム」を開催することになりました。他の病院の看護師といっしょにフォーラムをとりくむのは初めてです。二四施設から七五人が参加しました。

「手をつなごう」と

 公立・私立を問わず、どの病院でも深刻なことがわかり、参加者は「打開のために手をつながなければ」との思いを共通にしました。

 国立病院・自治体病院・厚生年金病院からは、独立行政法人化されてから、効率優先、無資格者の導入、二交替が いっそうすすめられている現状が報告されました。 民医連からは、西淀病院の木村てるみ副総師長が発言しました。「たび重なる診療報酬の改定から病院を守 ることが地域の要求に応えることと思い、踏ん張ってきました。以前は病棟を臓器別に分けていたが、効率を上げるため急性期・療養病棟・障害者の病棟に分け られました。入院日数の制限のため看護師は転棟・部屋替えに追われています。病棟は三分の二が担送・護送の患者さんで占められます。看護師の過密労働は想 像を絶します。患者さんの悩みは病気だけでありません。生活の困難さが深刻です。精神的にも不安定で、イライラの矛先が看護師に向くこともあります。その 矛盾はどこから来るのか、それを見失わず運動を大きくしていこうと思っています」。

*   *

 また、西淀病院の急性期病棟では、在院日数の短縮化で無力感がつのっていました。そこで、やりがいをどう見出す か、を病棟で話し合い、昨年五月から内科系・外科系チームを固定制にしました。カンファレンスを大切にし、「忙しくてもこれだけは流さない」と昼の三〇分 間、「一番気になる患者さん」のことを話し合っています。事例を大切に、患者さんから学ぶことにもこだわっています。この努力で、情報を共有化し、系統的 な関わりができるようになり、じょく瘡の改善や、在宅に戻る患者に効果的な援助ができるようになってきた、という別の報告もありました。

「語りあえてよかった」

 参加者から、「他の病院の実情を知ることができた」「語り合えてよかった」という声も多く出されました。医療現場はほんとうに大変です。看護改善大運動のスピードをもっと速め、推進しなければとの思いに駆られました。

 六月一七日には近畿地協にも呼びかけ、一〇〇〇人規模の集会を予定しています。そこでは看護師の願いを込めた「看護のうた」を披露し、運動を盛り上げます。

(民医連新聞 第1379号 2006年5月1日)

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