民医連新聞

2008年2月18日

第38回総会議案を読んで ―現場からの感想―

変革の立場が民医連の原点

埼玉西協同病院 守谷能和(医師・3年目)

 「医療崩壊」「医師不足」が最近、マスコミで取り上げられます。私が入学する前は「医師過剰時 代」と言われていたのでその変化に驚きです。それだけ、医療現場の混乱や労働条件が抜き差しならない事態になっている、と危機感を感じます。一刻も早く打 開しなくてはならないと、日に日に思いを強くしています。
 厳しい現実の中では、ともすれば解決の展望が見えづらくなります。総会議案を読んで、「人権を守り、変革する立場」を貫くことが民医連の原点であり、原動力であることをあらためて思い返しました。
 「医療崩壊」の危機に瀕している時代だからこそ、国民・患者様と協同し、確かな展望を持ちつつ医療を発展させていく必要性・重要性を実感しました。

実践が情勢を切り開く

栃木・介護サービスセンター虹 月井博美(看護師・非常勤)

 勉強会に参加し、いかに政府が国民を苦悩させているかを知り、怒りを覚えました。
 ワーキングプア、「経済的不安」で安心して子どもを産み育てられない状況になっています。健康を害しても受診できず、全世帯の二割以上が生活保護基準以下の絶対的貧困層です。
 病気の多い高齢者をひとまとめにして、保険料徴収と自己負担を求め、支払わなければ短期証・資格書を発行する後期高齢者医療。お金のない人たちは、長生 きすら許されない世の中になってしまうのは、本当に恐ろしいことです。
 マスコミから「社会問題をリアルにつかもうと思うと民医連に突き当たる」「国民は、民医連のめざす医療や介護を求めている」と評されるように、民医連の 運動や調査、日常の医療や介護の実践が情勢を切り開いてきていることをあらためて学びました。
 「いのちの平等」という言葉の意味、重要さをあらためて理解し、一人ひとりが声をあげて、団結する強さを学び、今後に活かしたいと感じました。

豊かに生きる権利のために

山形・鶴岡ひまわり薬局 今野陽介(事務・8年目)

 日本は、世界的に見ても豊かな国です。しかしそれは、人間らしく生きる質的豊かさではありません。
 バブル崩壊後の経済停滞を打破するため、規制緩和がすすみ、労働形態が悪化しました。その結果、多くの労働者が雇用と収入の安定を失いました。国は社会 保障費を削減し、生きる権利を奪っています。「格差社会」で、下位階層に陥った人が這い上がれない日本は、豊かに生きる権利を忘れています。
 社会保障や医療・介護は生存権に関わる分野です。医師不足、医療費負担増、生保の水際作戦、コムスン事件など、不安は増すばかりです。
 私たち医療従事者は、日常の声を聞くことができます。政府の政策が本当の豊かさにつながるものか、判断しなければなりません。勝ち取ってきた生存権が脅かされないために。

国動かしたナースウエーブに確信

福岡・たたらリハビリテーション病院 山口友子(看護師・3年目)

 第三七期は、民医連が大きく飛躍した二年間だったと思います。
 看護師の増員を求めるナースウエーブは、国を動かしました。私たちの運動が結びついた大きな成果だと確信しています。
 かたや、高齢者に厳しい制度、明日暮らしていけるのか不安を抱く多くの人びと…。国民のいのちと健康、生活が脅かされ続けています。
 憲法九条が平和憲法ではなく、国家権力を守るためのものに変えられようとしていると、感じます。
 安心に日々の生活をおくれる社会になるよう、民医連職員として、内ではなく、外に向かって発信と運動を広げ、大きな団結を生みましょう。

今まさに民医連の出番

石川・上荒屋クリニック 近松健太(調理師・3年目)

 総会議案を読んで、広がる格差や崩壊した医療制度、安心して明日を迎えられない今こそ、まさしく「民医連の出番の情勢」だと感じました。
 重点目標である「平和・憲法を守り生かす活動を強めよう」でも、青年ジャンボリーのとりくみや様ざまな平和運動を通して、学び実践してきました。
 最近では、横須賀米軍基地を見学して、民医連のめざす平和と対極にある戦争や兵器を目の当たりにし、基地があることの重大さを考えることができました。
 教育基本法が変えられ、在日米軍が再編強化される中で、更なる運動と発信が大切だと実感しました。

(民医連新聞 第1422号 2008年2月18日)

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