副作用モニター情報〈208〉 リピトール(アトルパスタチン)のミオパシー…CPK観察し、早めの対処を
今期、リピトールの副作用が、プラバスタチンの35例を上回る49例報告されました。筋肉痛、足のつり、こむらがえりなどミオパシーが29例、自覚症状がないCPK上昇2例を含めると31例、いずれも腎機能正常例での報告です。
(症例1)61才女性。基礎疾患なし。近医でリピトールを処方され、2~3カ月後「下肢のつり」を訴えた。芍薬甘草湯を処方され、10日間服用したが改善せず、全身痛で起立不能状態で入院(入院時CPK値1778)。
(症例2)62才男性。リピトール開始後5カ月でCPK283と上昇傾向だったが、自覚症状なく経過観察。1年3カ月後のCPKは832。翌月、筋肉痛の 訴えあり本剤をメバロチンに変更。3カ月後、CPK1276と悪化。患者は変更後4日ほどで異常を感じたが、内服を続けていた。
発現までの期間は他のスタチン剤に比べて早く、「2~3日」が6例、「1カ月以内」が15例でした。倦怠感、力が入らない、筋肉が張る、こわばるなどの訴 えが、ミオパシーとして認識されていない例もありました。「背部痛・手の甲の痛み・しびれの症状で整形外科を受診、オパルモン、モービックが処方されたが 改善せず、リピトール中止後軽減したが整形治療を継続」という例もありました。原疾患、合併症との鑑別という点でも、これらの症状に注意を払い、また症状 がなくてもCPKをモニターし、上昇傾向が認められたら、中止や減量が必要です。
(民医連新聞 第1340号 2004年9月20日)
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