副作用モニター情報〈207〉 ラミシール錠による肝障害に再度注意!
03年12月に警告が出て「使用上の注意」の記載内容が改定、「投与前の肝機能検査・血液検査の実施」「重篤な肝障害が主に投与開始2カ月以内に現れ る、開始後2カ月間は月1回の肝機能検査を行うこと。その後も定期的に検査を行う」など十分な観察の指示が盛り込まれました。
投与前・投与1カ月後は正常値でも、投与3カ月後に異常値が出ることもあります。随伴症状(皮膚のかゆみ、発熱、悪心、嘔吐、倦怠感など)への注意深い 観察も重要です。また、肝機能障害の人への投与は、本剤のクリアランスが低下し薬物血中濃度が正常な人の1.8倍になった報告もあり、おすすめできませ ん。
(症例)爪白癬症の56歳女性。マイコスポール液、バラベールクリームとともにラミシール錠を投与。投与1カ月後の検査値はAST20、ALT16と正 常。投与3カ月後にAST88、ALT74、γ-GTP130、LDH213と異常値になり、本剤中止。中止2カ月後もAST96、ALT89、 γ-GTP232、LDH214、ALP567と肝機能障害が持続。中止3カ月後に正常値に戻った。
本剤は一般的に皮膚科で使われますが、定期的な血液検査に医師・患者側が難色を示す場合も少なくありません。本剤の使用では、一定の取り決めをしておくことが必要です。
(民医連新聞 第1339号 2004年9月6日)
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