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副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

副作用モニター情報〈468〉 ステロイド外用剤による高血糖・副腎抑制

 副腎皮質ホルモン(以下、ステロイド)外用剤は炎症を強力に抑える力があるため、皮膚科領域では頻用されています。
 これまで、ステロイド外用剤の副作用として「皮膚の菲薄化(ひはくか)(皮膚が薄くなること)」や感染症などが話題になっていました。今回、内服した場合と同様の、高血糖・副腎抑制の副作用が報告されています。
症例)70代、男性。皮膚掻痒を訴え皮膚科を受診。紅色丘疹あり、ベタメタゾン酢酸エステル軟膏(ヘパリン含有軟膏のミキシング)を処方。1カ月後、効果が無かったため、ステロイド塗布剤の中で最も効果が強いクロベタゾールプロピオン酸エステル軟膏(ヘパリン含有軟膏のミキシング)を処方。
 さらに1カ月後、頭部の掻痒も強いため、クロベタゾールプロピオン酸エステルローションも追加。21カ月間、継続して使用。
 その後、血糖コントロール目的で入院となり、副腎機能チェックのためにACTH、コルチゾールの血中濃度を測定したところ、ACTH1pg/ml以下(正常値:7~63pg/ml)、コルチゾール0.5μg/ml(正常値:6~18μg/ml)と著しい副腎抑制が判明した。また、血糖値はほぼ同時期に夕食後が251、就寝前が309と高血糖を認めた。
 外用剤を全身塗布から部分塗布に、成分もクロベタゾールプロピオン酸エステルから、ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏に変更し、血糖降下剤も変更し、症状は改善傾向。

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 副腎皮質ホルモンは、短期的には感染、胃潰瘍、ムーンフェイスなどの副作用が知られています。中長期的には、副腎抑制、高血糖、骨粗しょう症を含めて、様々な副作用が問題になります。
 内服剤でないステロイド製剤(塗り薬、吸入剤など)は、少量であればこれらの副作用が伴わない事が一般的です。しかし、今回の症例のように、外用であっても全身塗布を長期間継続すると、内服薬と同様の副作用が顕在化することがあります。全身塗布を続ける場合には注意しましょう。

(民医連新聞 第1631号 2016年11月7日)

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