副作用モニター情報〈149〉 インターフェロン(IFN)βによるネフローゼ症候群(98年度下半期のまとめより)
IFNβによるネフローゼ症候群が報告されました。症例は急性C型肝炎(発症は感染後11週)、27歳、女性です。治療開始時にはHCV―RNA陽性、 HCV第二世代:3.36(体重48.5Kg)でした。IFNβ3MUを一日二回、四週間投与で総投与量一六八MUにより、HCV―RNAは投与開始2週 目より投与中止1カ月後まで陰性化が認められ、現在経過観察中です。
しかし、副作用は投与開始1週間後に蛋白尿を認め、2週間後には増強。投与開始4週後には血清アルブミン値が3.9→2.7g/dlに低下しました。自 覚症状として腹部膨満感が出現し、体重が治療開始時より4.5kg増加、全身倦怠感、呼吸困難感出現、腹水著明となり、IFNを中止しました。
対応は、IFN中止後より利尿剤の内服を開始したことで、その4日後に蛋白尿(-)と回復傾向(体重は46.1kgに)が認められています。IFNβは IFNαにくらべ尿蛋白の発現頻度が高く、また1日2回分割投与ではIFNとの接触時間が長いため、副作用の出現頻度が高くなると推測されています。メー カー情報でもネフローゼ症候群発現例はすべて腹水をともなっており、体重と蛋白尿は重要な観察項目と考えられます。
IFN治療は比較的副作用も多く現れるため、自覚症状も観察項目に加え、早めの対応と継続的な安全性の確認のもとで、必要な量のIFNを投与し、急性C型肝炎の慢性化予防が重要です。
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