副作用モニター情報〈168〉 ヘリコバクター・ピロリ除菌療法の副作用と服薬指導
2000年11月1日よりヘリコバクター・ピロリ除菌療法に用いられる薬剤、検査が保険適応となりました。千葉民医連では、九九年四月から実施したヘリコバクター・ピロリ除菌療法を施行した四九例について調査を行っています。
除菌治療プロトコールは、ガイドライン作成以前ということもあり、オメプラゾン二〇mg二錠、アモキシシリン二五〇mg六カプセル、クラリスロマイシン 二〇〇mg三錠を一週間投与でした。副作用は四九例中二二例四四・九%に出現しました。
副作用の出現した22例中17例は、下痢軟便、4例は吐き気・頭痛や腹部症状が多数を占めています。また発疹が一例に発症。プロトコールを中止しています。
副作用が多数発生しましたが、投与開始時に副作用を説明することで除菌治療プロトコールを自己中止するケースはなかったようです。除菌治療ガイドライン でも一四・八%―四五・一%の症例に副作用が見られると記載されています。
除菌治療は一週間内服を続けることが重要ですが、併用薬剤が多く副作用が高率であり、患者の服用中断が懸念されます。
「どんな副作用が発生したら服用を中止して医療機関への受診が必要なのか」なども含め、起こりえる副作用について十分に説明することが重要です。
- 記事関連ワード
- 副作用副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)検査症状