副作用モニター情報〈434〉 健康食品による急性肝炎
健康食品による急性肝炎の報告がありました。
症例)70代女性。健康維持のためDHA、ブルーベリーエキス服用開始。約1カ月後に嘔気、嘔吐、めまい、倦怠感出現。メイロン注、エリーテン注にてやや改善。5日後には、白っぽい便、茶褐色尿あり、腹痛はないが食欲不振が続くため入院(GOT:298、GPT:1736)。眼球黄染はあるが、CT・MRIにて胆管の閉塞は認められず、DHA、ブルーベリーエキスの服用を中止。ソルデム3A、ネオファゲン注、サブビタン開始。入院1カ月後、肝生検にてアレルギー性機序による急性肝障害の発生と考えられた(中止1カ月後GOT:50、GPT:32)。
販売元に集約された過去5年間の肝機能障害の報告では、DHA19件、ブルーベリーエキス30件。いずれも軽度で併用薬があるため因果関係は不明です。
【原材料】 DHA(精製魚油)、ゼラチン、グリセリン、VE含有食物油、ブルーベリーエキス(ブルーベリーエキス末)、シソの実油、ゼラチン、グリセリン、カロテノイド、マリーゴールド、ミツロウ、VB1、VB2、VB12
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急性肝炎のほとんどはウイルス性ですが、一部は、アルコール・医薬品・健康食品で生じています。当副作用モニターでもグルコサミン、雪茶などの健康食品やナイシトール(製品名)などの漢方薬でも肝障害が報告されています。症状は風邪症状に似ていますが、ビリルビン値が上昇し、眼の黄染・褐色尿・倦怠感などが生じます。
健康食品などは、健康被害についての開示が不十分であり、医薬品のように副作用集積の義務もありません。テレビCMや広告などで消費者を引きつけ、宣伝されている「利点」だけに目を奪われやすく、通信販売やインターネットでいつでも手軽に購入できることにも注意が必要です。
肝障害など、時には重篤なものも発現する可能性があると啓発する必要があります。
(民医連新聞 第1593号 2015年4月6日)
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