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副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

副作用モニター情報〈421〉 ジクアス点眼液3%による副作用について

 ジクアホソルナトリウム点眼液(製品名:ジクアス点眼液3%)は2010年12月に発売されたドライアイ治療剤です。発売開始以降、8例12件(眼痛2件、刺激感3件、充血2件、羞明1件など)の副作用報告が寄せられています。
症例) 80歳代後半女性 使用開始時から点眼のたびに痛みあり。指示通り継続していた が、約7カ月後、痛みが増強し涙がボロボロ出て充血、点眼後、パチパチした感じで痛みが強くテレビも観られなくなった。光も眩しくなり、中止した。中止後 眼痛は消失し、他の症状も1週間で回復した。

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 国内臨床試験でも、投与中止となった主な有害事象は、眼刺激、眼痛、羞明、結膜充血などでした。他のドライアイ治 療剤と比較すると、本剤は刺激感や眼痛が多い傾向にあります。添付文書では、刺激感は本剤(6.7%)>レバミピド(製品名:ムコスタ)懸濁点眼液 (2.5%)>ヒアルロン酸(製品名:ヒアレイン)点眼液(0.36%)の順になっています。
 本剤は発売後に防腐剤の含有量を下げると同時に、保存剤エテド酸ナトリウム水和物(EDTA)を追加しており、刺激感の一因とも考えられます。なお EDTAはレバミピド点眼液には含まれておらず、ヒアルロン酸点眼液はメーカーによって異なります。
 また本剤は、結膜上皮及び杯細胞膜上のプリン受容体に作用して、水分及び粘膜を潤すムチンの分泌を促すことでドライアイ症状を改善させます。しかし、最 近プリン受容体と神経障害性疼痛との関連性を示唆する研究もあり、受容体を介した副作用発現の可能性もあります。
 報告症例は全て60歳以上の女性でした。中止後は改善されており、ヒアルロン酸点眼液のみで様子を見ている例もありました。痛みや刺激感の症状があればがまんせず、早めに相談するよう促しましょう。

(民医連新聞 第1578号 2014年8月18日)