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副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

副作用モニター情報〈418〉 一般用医薬品の重篤な副作用

 今回、一般用医薬品による副作用症例が報告されたので紹介します。なお、6月12日に「改正」薬事法が施行され、一般用医薬品のインターネット販売が一部(スイッチ直後の医薬品と劇薬)を除き解禁となりました。今後、安全面での不安があります。
症例1)風邪薬(薬品名不明)で急性緑内障発作 60代男性 基礎疾患なし
 市販の風邪薬服用後、左眼の充血・視力低下、3日後に眼科受診。左眼の眼圧上昇(眼圧38)、視力低下(測定不能)で急性緑内障発作と診断。レーザー虹 彩切除術(LIT)実施。ベタメタゾン点眼、カルテオロール塩酸塩点眼開始。6日後、右眼も隅角狭く予防的にLITを行う。
 約3週間後、左眼眼圧40、視力0.5。濃グリセリン・果糖注、アセタゾラミド注点滴静注。ビマトプロスト点眼、カルテオロール塩酸塩点眼、ベタメタゾ ン点眼、アセタゾラミド錠・L-アスパラギン酸カリウム内服投与。慢性化の可能性があり、大学病院へ紹介。2日後、大学病院にて緊急OPE(PEA- IOL-GSL施行)。ベタメタゾン点眼、レボフロキサシン点眼、ジクロフェナク点眼、ピロカルピン点眼投与。約4週間後、眼圧右:11、左:13で角膜 の透明性もあり安定。月1回の通院にて問題なし。緑内障指摘は今回が初めてだった。
症例2)バファリンAの多形紅斑型皮疹、肝障害、結膜炎。60代女性(HBV、HCV:陰性)
 38.6度の発熱、倦怠感にて市販のバファリンA(アセチルサリチル酸330mg、合成ヒドロタルサイト110mg配合)を3回内服して中止。服用中止 後2日目、全身に発疹・黄疸を認め、中止後3日目に受診。肝機能障害認める。中止後4日目に入院を勧めるも拒否(AST:249、ALT:344、 LDH:335、ALP:2117、γ-GTP:641、T-Bill:3.51)。中止後5日目に眼科・皮膚科受診。結膜炎に対しレボフロキサシン点 眼、フルオロメトロン点眼、皮疹にジフロラゾン酢酸エステル軟膏と白色ワセリン混合(躯幹四肢)、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル軟膏(顔、 首)、白色ワセリン(商品名:プロペト)(唇)、オロパタジン5mg2T分2を処方。
 中止後6日目、右網膜の出血が認められ、黄疸・肝機能が悪化し入院。皮膚生検したところ、多形紅斑型皮疹の疑い。中止後9日目、DLST陰性。 PSL30mg/日、ファモチジン20mg2T分2開始。中止後12日目、PSL50mg/日へ増量。肝生検を施行し、薬剤性胆汁うっ滞型肝障害の疑い。 PSLを漸減しながら、中止後21日目に退院。約1カ月後、黄疸、肝機能は改善傾向。PSLをさらに漸減し、その1カ月半後、PSLは終了。医薬品副作用 被害救済制度支給対象となった。

■市販薬でも「救済制度」の対象になる

 一般用医薬品でも、適正に使用し、入院を必要とするレベルと同程度の重篤な副作用が発生した場合、医薬品副作用被害救済制度の対象となることを確認してほしい。

(民医連新聞 第1575号 2014年7月7日)