副作用モニター情報〈406〉 アレルギー素因のある患者へのステロイド注射薬投与の注意点
コハク酸エステル型のステロイド注射薬(サクシゾン(R)、水様性プレドニン(R)、ソル・メドロール(R)など)は、アスピリン喘息をはじめ、 アレルギー素因のある患者に投与すると、過敏反応を誘発することがあります。17員環のCOONa(⇒COO-)が体内のタンパク質と結合することによ り、抗原として作用してしまうことが原因と考えられています。
副作用モニターには次のような報告が上がっています。
【症例】10歳前後 男児
学校給食を食べた後に運動し、食後1時間頃からアレルギー症状出現。膨疹および軽度の眼瞼浮腫を認めた。受診し、注射用ソル・メルコート(R)を静注 し、10分後には咳、呼吸苦が出現。酸素投与と吸入により症状消失したが、経過観察のため入院。
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アレルギーのある患者にステロイドを投与する場合には、リン酸エステル型の薬剤(デカドロン(R)、リンデロン(R)など)を使用し、コハク酸エステル型の薬剤は使わないようにしましょう。
(民医連新聞 第1560号 2013年11月18日)
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