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副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

副作用モニター情報〈359〉 ジャヌビア(シタグリプチン)による副作用注意喚起~急性膵炎

 DPP4阻害剤は、低血糖のリスクが少なく使いやすい、という評価がある一方で、まだ使用実績が世界的にも少なく、新しい作用機序の薬剤で未知の副作用、重大な副作用を懸念する声も多くあります。
 FDA(アメリカ食品医薬品管理局)では2006年10月~2009年2月のシタグリプチン使用患者における急性膵炎の市販後調査症例88例(出血性や 壊死性含む)の報告を受け添付文書の改訂を行い、注意喚起しました。
 日本では2011年1月に急性膵炎が「重大な副作用」に追記されました。シタグリプチンによる急性膵炎については、発症機序は不明ですが、日本でも数例 の報告が挙がっています。急性膵炎の発症要因にはアルコールと胆石(2大要因)があり、「胆道系の既往がある患者、膵炎の既往がある患者への投与は慎重を 期すべきである」としています。投与する場合は適切なモニタリングを行って上腹部の痛みや吐き気がないかチェックし、膵炎の症状が発現した場合は、即中止 すべきです。
 全日本民医連の副作用モニター報告にも、下記の副作用症例の報告がありました。
 (症例)70代女性(54歳時、胆石症により開腹胆嚢摘出)アルコール摂取(-)ジャヌビア50mg服用開始11カ月後に急性膵炎を発症。

 シタグリプチンは、これまでも消化器症状やSU剤(スルホニル尿素剤)との併用による低血 糖、発疹などの皮膚症状、血管浮腫、間質性肺炎など多くの副作用報告があり、投与にあたっては注意が必要な薬剤です。新しい作用機序の薬剤でもあり、まだ まだ未知な部分も多い薬剤です。
 日本でも発売1年が経過し、糖尿病の専門医以外からも処方されている現状もあり、今後長期投薬や処方頻度が増える薬剤だと思われます。処方時や服薬指導時には十分な注意喚起が必要な薬剤です。

(民医連新聞 第1508号 2011年9月19日)

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