副作用モニター情報〈357〉 アロプリノールによる薬剤過敏症症候群 重篤な副作用に注意
アロプリノール(高尿酸血症治療剤)による副作用については、2009年5月に腎機能低下時の投与と、副作用症状の関連で取り上げています。その後もこ の薬剤による副作用報告は多く、昨年度も薬剤過敏症症候群(DIHS)が疑われる症例が4件、また過敏による皮膚症状が16件、そのほか腎機能障害、急性 間質性腎炎などが当モニターに報告されています。注意喚起の意味で、このコーナーで改めて取り上げることにしました。
特に、DIHSとして報告された症例の共通点として、投与量が1日100mg、服用開始から副作用発現までが約1カ月、また薬剤中止から皮疹の消退まで 2週から1カ月を要していることなどがありました。もともと腎機能低下がみられた症例も1件ありました。DIHSについては本年2月に取り上げております が、高熱と臓器障害を伴う薬疹で、限られた原因薬剤として、抗てんかん薬などとともに、アロプリノールもあげられています。
アロプリノールの薬剤自体の構造がプリン体に類似していることが、多くの副作用発現に関わっていると指摘されています。基本的には、服薬開始後の紅斑、高熱、咽頭痛などの初期症状に注意が必要です。
なお、昨年度、医薬品副作用被害救済制度における、アロプリノールによるDIHSでの医療費・医療手当支給決定は10件でした。
(民医連新聞 第1506号 2011年8月15日)
- 記事関連ワード
- 副作用副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)症状