副作用モニター情報〈276〉 ステロイド吸入剤フルタイド®による眼圧上昇(1)
吸入ステロイド剤は、全身性の副作用が少ないとされています。しかし、わずかとはいえ肺内へ沈着し、吸入後うがいを行わなければ消化管にも到達します。長期間に高用量を使う場合は、全身性の副作用発現の可能性がありますので、留意が必要です。
フルチカゾン(フルタイド®)吸入薬による「眼圧上昇」の副作用報告が2件ありました。
〔症例1〕小児への投与で200μg/日から開始 し、400μg/日に増量してから約1カ月で頭痛や目の奥の痛みなどの症状が見られ、眼科を受診しました。眼圧が26mmHgあり、キサラタン点眼®の治 療を開始。吸入剤の量を100μg/日に減量しましたが、1カ月後も眼科治療が続いています。
〔症例2〕基礎疾患に緑内障があり点眼による治療中の人です。400μg/日を継続使用、約4カ月で眼圧の上昇が見られました。この人の場合、点眼薬の種類を増やし眼圧はコントロールできています。副作用の判定は「不明」と報告されています。
次回は、原因と対策について報告します。
前回の副作用モニター情報(275)で次の文章を追加します。
「当該施設では、20mgのファモチジン注射液が採用されており、結果として体重29kgの患者に20mg/日という過量な投与となったようです。」
(民医連新聞 第1413号 2007年10月1日)
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