副作用モニター情報〈274〉 フッ素基をもつ高コレステロール血症治療薬「ストロングスタチン」類
プラバスタチンやシンバスタチン以降開発され、化学合成で長時間体内にとどまるようフッ素を結合させたスタチン類「ストロングスタチン」の、2006年度副作用報告を集計しました。
黄紋筋融解症が1件(リバロによる)あったのをはじめ、筋肉痛が31件、CPK上昇が12件と筋障害が多くあります。脱力感や倦怠感が15件、発疹・蕁麻疹が9件、しびれが5件、肝機能障害が5件などでした。報告件数は各薬剤の使用量を反映していると思われ、リピトールが73件、リバロが10件、クレストールは1件(筋肉痛)でした。全症例のうち39件がプラバスタチンやフィブラート系から変更した事例でした。また増量後の発生が2件、別のストロングス タチンに変更後の発生が3件でした。
コレステロールは細胞の構成成分です。生成を強力に阻害すると、副作用が発生しやすくなるのは自然です。半減期が長いストロングスタチンは、副作用が多 い可能性があります。一方、フッ素基が副作用を引き起こす機序も考えられます。
治療目標値に接近させるためにストロングスタチンを使用するケースが増えており、筋肉や肝臓の細胞障害の副作用も増加しています。いつ副作用が発現する かは個人差があり、投与中は常に管理が必要です。同時に、患者様にも副作用の初期症状をチェックしてもらうことが、早期発見と対応につながります。その前にまず、生活指導やコンプライアンスを確認し、本剤の選択は慎重にすべきと考えます。
(民医連新聞 第1411号 2007年9月3日)
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