副作用モニター情報〈333〉 セレコックス(セレコキシブ=非ステロイド性消炎・鎮痛剤)の副作用と注意点
セレコックスは、シクロオキシゲナーゼ(COX)のうち、炎症組織に誘発されるCOX-2の選択的阻害剤です。その主な副作用には、ショック、過敏症状、消化器症状、肝臓、腎臓、血液系の障害、重い皮膚症状が報告されています。
海外では、COX-2選択的阻害剤の投与が、心筋梗塞、脳卒中などの重篤で場合によっては致命的になる血栓塞栓性疾患のリスクを増大させ、そのリスクは 投与期間とともに大きくなると報告されています。
また、本剤の特徴として、皮膚過敏症状が他の非ステロイド系消炎鎮痛剤と比較して多いようです(アステラス製薬による)。本副作用モニターでも、過去1 年間の報告をみると、湿疹などの皮膚症状がもっとも多く、11症例報告されています。このうち7症例が重症度IIの全身性の副作用です。また、投与開始か ら2週間以内の発症が多く見られました。発症したら即、服用を中止することが原則です。
そのほか、消化器症状が3症例、血液系1症例(白血球減少)、肝機能悪化1症例、発熱1症例が報告されています。
胃腸障害は少ないといわれていますが、発現頻度は従来の非ステロイド系消炎鎮痛剤とあまり差がありません。副作用を回避するためにも、添付文書に記載さ れているように、最少有効量を可能な限り短期間に投与し、漫然と長期に使用しないことが大事です。
また、顔面蒼白、冷汗、息切れ、ろれつが回らない、胸の痛み、体の一部が麻痺するなどは、重大な副作用の初期症状の恐れもあるので見逃してはなりませ ん。皮膚過敏症の注意を含め、これについても患者に説明し、服薬指導をきちんとすることが重要です。
(民医連新聞 第1478号 2010年6月21日)
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