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副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

副作用モニター情報〈332〉 アルファカルシドール(活性型ビタミンD3)による高カルシウム(Ca)血症

 アルファカルシドールによる高Ca血症は、当副作用モニターに2009年度は2例が報告され、これまでに11例が集積されています(下表)。そこから、副作用が発生する要因を探りました。
 上記の症例からは、年齢と投与量、腎機能、併用薬に問題がありそうです。75歳を超えた高齢者が8例で、1日投与量が判明している7例中、1例を除き 1μgを超えています。
 また、併用薬ではカルシウム剤が8例と多いのが特徴です。利尿剤の影響については、『Goodman&Gilman薬理学書』には、チアジド系利尿薬は Ca排泄を抑制し、フロセミドはCa再吸収を抑制するとあり、上記の症例では利尿剤の影響は検討できませんでした。
 以上から、安全性を考慮して70歳を過ぎた人は腎機能の低下を前提に0.5μgに減量する、一般に高齢者は尿中へのCa排泄量が低下しているので、Ca 剤の投与を中止するなど早めの対策が求められます。市販のCa剤の使用にも注意が必要でしょう。
 食欲不振や急性腎不全などの症状が現れてから、高Ca血症が判明している症例が5例あります。しかし、半数以上は無症状で、血液検査で発覚しています。 高齢者では、血清アルブミンも低下していることが多いため、見かけ上血清Ca濃度が低くなり、補正値を確認しないと高カルシウム血症を見逃してしまいま す。アルファカルシドール服用中の人には、定期的に投与量を見直すこと、計画的に血液検査をすることをおすすめします。

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(民医連新聞 第1477号 2010年6月7日)