副作用モニター情報〈331〉 ガバペン錠(R)(抗てんかん薬・ガバペンチン)の副作用のまとめ
ガバペン錠(R)は、既存の抗てんかん薬とは異なる新しい作用機序をもつ、として2006年に発売されました。が、その作用機序は、未だ明確ではありません。この間、当モニターに13症例の報告が寄せられたので、紹介します。
13症例に見られた副作用症状は22件でした。その内訳は、転倒・ふらつき・立位困難などが5件、眠気が4件、次いで重篤度2の全身性の過敏症状とみら れる皮膚症状が3件、倦怠感2件、ほか、目のかすみ、嘔吐、振戦、会話障害、慢性腎不全増悪などが1件ずつ報告されています。いずれの副作用も開始1カ月 以内に発生しており、ふらつきや眠気は、用量が増えるとともに症状の増幅がみられています。
本剤は、「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められない、てんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する抗てんかん薬との併用療法」として 適応になっています。海外では「神経因性疼痛」や「帯状疱疹後神経痛」を適応症としている国もあり、今回の報告症例の中には、適応外使用が散見されまし た。
メーカー報告では、本剤は国内での第II相、III相および長期投与試験において59.2%の副作用頻度を示しており、特に精神神経系副作用の発現頻度 が高い薬剤です。今回報告された症例の中には、「力が入らず一人で立てない」「ふらついて起床時に転倒」「転倒しやすくなった」などの訴えがありました。 ふらつきから転倒し、骨折する危険もあります。本剤は加齢によるクリアランスの低下が認められるので、年齢や腎機能に応じて、投与量や投与間隔を調節する など慎重な投与を行い、ADLを損なわないための配慮が必要です。
(民医連新聞 第1476号 2010年5月24日)
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