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副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

副作用モニター情報〈259〉 メシル酸ペルゴリド錠による浮腫

〔症例〕60代女性。パーキンソン病のため、A医院にてペルマックス錠50μg/dayを開始。2年後に100μg/dayに増量すると下肢浮腫が出現した。その後、150μg/dayに増量となり、顔面、眼瞼、手背にも浮腫が広がった。
 そのまま1年が経過し、浮腫の精査のためにB病院へ入院。肝・腎・心機能・内分泌異常は認められず、経過観察となる。その後、健診で胸水を指摘され、乾性咳嗽、体動時の動悸も出現、体重は1年間で8㎏も増加した。
 C病院に入院した時、下肢浮腫が強く、手背、眼瞼にも浮腫があり、夜間は咳も強かった。ペルマックスによる副作用を疑い、4日かけて漸減・中止し、併用 していたネオドパゾールを1錠から1.5錠に増量した。2日後に「足が軽くなり、膝のこわばりも抜けてきた。こんなに調子がいいのは初めて」と笑顔、活気も出た。中止から3日後には体重が4.5㎏減少。その後、ネオドパゾールを3錠まで増量してもパーキンソン症状の悪化はなく、浮腫は軽快。本剤中止から 16日後に退院となった。

*    *

 メシル酸ペルゴリドによる浮腫は、メーカーからの報告によると6例/3985例であり、高頻度ではありません。しかし、他の麦角アルカロイド系薬剤による副作用の文献報告から、浮腫・胸水(胸膜・肺病変)ともに、本系統の薬剤の影響が推察されます。
 本症例は、下肢浮腫の出現から副作用の発見までに2年を要し、患者様に長期の苦痛を与えました。本剤で同様の症状を発見した場合には、副作用を疑うことが必要です。
 なお、早期発見の手段として、投与開始時に下肢径を測定し、その後は随時チェックする、胸水は定期的なX線検査を行うことが必要です。

(民医連新聞 第1394号 2006年12月18日)