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副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

副作用モニター情報〈317〉 サラゾスルファピリジンによる副作用

 サラゾスルファピリジンは、5-アミノサリチル酸とスルファピリジンをアゾ結合させた化合物で、日本では1969年から「サラゾピリン錠」が潰瘍 性大腸炎の治療に使われてきました。1995年からは、消化器系症状を軽減するために腸溶製剤にした「アザルフィジンEN錠」が、関節リウマチ(RA)の 治療薬として発売されました。

 08年度以降の当副作用モニターに、腸溶製剤による副作用12件と普通錠による副作用1件の計13件が報告されています。内訳は、滲出性紅班・発疹など の過敏症が5件、肝機能障害が3件、血小板減少など血液障害が2件、口内炎等を含む消化器症状が3件、SLE様症状が1件(重複あり)でした。とくに肝機 能や血液障害の5件の中には、グレード2および3の症例が4件ありました。
 1例は、投与後3週目の検査で血小板減少(グレード3)、5週目の検査で肝機能異常(グレード2)が発見されました。もし、投与2週間目に検査が実施さ れていたら、重篤化を防げたと推定されました。ほかの1例は、投与開始の日に、30日分が処方され、5日後に消化器症状が生じ、中止になっていました。

 本剤は成分にサルファ剤を含み、皮膚粘膜障害、血液障害、肝障害に注意が必要です。腸溶剤の添付文書には、投与前に血液学的検査と肝機能・腎機能の検査 を実施すること、また、投与後3カ月までは2週間に1回、投与後6カ月目までは4週間に1回、6カ月以降は3カ月ごとに1回の血液学的検査と肝機能検査、 および定期的な腎機能検査の実施が「重要な基本的注意」として記載されています。
 使用にあたっては、定められた検査をきちんと実施することや、初回処方は14日以内にすることを、あらためて確認することが必要です。なお、普通錠の添付文書には「定期的な検査の実施」との記載しかありませんが、腸溶錠と同様の対処が望まれます。

(民医連新聞 第1459号 2009年9月7日)

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