副作用モニター情報〈309〉 アロプリノール(高尿酸血症治療剤)の副作用まとめと腎機能低下時の投与
アロプリノールは重篤な副作用である皮膚粘膜眼症候群(スチーブンス・ジョンソン症候群)、中毒性表皮壊死症(ライエル症候群)という重大な致死性の副 作用の原因薬物として、常に厚生労働省への副作用報告の上位にあがっています。ですから、服用中に皮膚症状や発熱がみられた場合は、ただちに服薬を中止し なければなりません。
07~08年度(第3四半期)の副作用モニターに寄せられたアロプリノールの報告は、34症例37件でした。皮膚症状が23件、消化器4件、精神神経3件で、皮膚症状の副作用が多くを占めています。
そのうち、血清クレアチニン値が記載され、推定クリアランスCcr≦30ml/分の患者に100mg/日以上が投与されていたケースが2例あり、ほか病 名に腎不全がある1症例で100mg/日投与されていました。その3例の副作用の内訳は、味覚異常、全身性の発疹、蕁麻疹が各1例でした。
腎機能障害があると、アロプリノールの活性代謝物であるオキシプリノールが体内に過剰に蓄積し、重篤な副作用の頻度が高まると報告され、腎機能に応じた 用量調節が推奨されています。長期服用の場合、加齢や合併症などで腎機能が低下してくることがあるので、血液検査は定期的に行い、投与量を見直すべきで す。アロプリノールの投与量の目安は、Ccr<50ml/分では100~300mg/日、30ml/分<Ccr≦50ml/分では100mg/日、 Ccr≦30ml/分(腹膜透析を含む)では50ml/日、透析施行例では透析終了時に100mg/となっています。
腎不全時に認められる高尿酸血症が腎機能低下を促進するかどうか、腎機能保持のためには高尿酸血症を是正したほうがよいかどうか、コンセンサスは得られ ていません。そのため、腎不全患者への適応は、尿酸過剰生産状態、痛風および腎不全を伴う家族性腎疾患、痛風の病歴、尿酸値が9~10mg/dl以上が持 続する患者などになっています。(日本痛風・核酸代謝学会ガイドライン2002より)
(民医連新聞 第1451号 2009年5月4日)
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