副作用モニター情報〈303〉 ビスホスホネート系薬剤の筋骨格の副作用について
ビスホスホネート系薬剤は、破骨細胞の骨吸収を阻害し、内服薬(製品名:フォサマック・ボナロン・アクトネル・ベネット・ダイドロネル)は骨粗しょう症 の治療に使われ、注射剤(製品名:アレディア・オンクラストなど)は悪性腫瘍による高カルシウム血症の治療に使われます。
本剤は、1990年に発売され、週1回投与の内服は2006年9月に発売されました。その後、厚生労働省の医薬品・医療機器等安全性情報で、顎骨壊死や顎骨骨髄炎の副作用についての重要な基本的注意が出されました。
顎骨壊死については、発生機序、予防法、対処法は明らかになっていません。リスク因子として、悪性腫瘍・化学療法・コルチコステロイド治療・放射線療法・口腔の不衛生・侵襲的歯科処置があげられています。
07年度から08年度上半期までに、本剤の副作用が69件報告されました。報告の多くは、よく知られている胃腸障害(食欲不振・胃痛・はきけ・胃部不快感など)でしたが、そのうち28件は週1回投与での副作用でした。
今回の症例はすべて内服薬で起き、骨や筋肉に関する副作用が5件でした。そのうち1件は、因果関係は不明ですが「歯が抜けた」という報告でした。ほか、膝や手指の関節痛、背部痛が各1件でした。
販売メーカーの顎骨関係の副作用報告にも、歯に関するものが散見されます。ほか添付文書にない「しびれ」、「ふらつき」もあげられています。
08年度下半期も、ビスホスホネート系薬剤の内服薬でさまざまな副作用が報告されています。週1回投与の薬剤の使用頻度が増加し、胃腸障害以外の副作用も多くなっています。監視をさらに続け、服用中の患者には十分説明し、リスクが高い場合は歯科受診をすすめることが必要です。
(民医連新聞 第1445号 2009年2月2日)
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