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副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

副作用モニター情報〈298〉 クラビット錠(R)(合成抗菌剤) 高齢者に多い中枢神経系副作用

 レボフロキサシン「クラビット(R)」錠は、とても使用頻度が高く、当モニターにもよく副作用報告が寄せられます。2007年1月から2008年 6月までに22件の報告があり、うち14件がスティーブン・ジョンソン症候群を含む発疹などの過敏症でした。次いで中枢神経系の副作用が4例となっていま す。
 【症例1】80代女性。心不全と高尿酸血症で投薬を受けていたが、膀胱炎でクラビット錠1日量 2錠で5日分処方された。服用終了2日後に全身に蕁麻疹(じんましん)が出たのに加え、異常な言動が現れた。就職した孫に「学校に行ったの?」と聞いたり、もう働いていないのに「仕事に行かなきゃ」と言うなど、認知症が疑われた。
 【症例2】90代男性。心不全で投薬を受けていた。感冒様症状でクラビット錠1日量3錠処方された。4日間、服薬を継続したが発熱が持続するため、家族がたまたま持っていたロキソプロフェン錠を1錠服用させた日の深夜、数秒間の間代性痙攣(かんたいせいけいれん)が起きた。

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 80歳を超える高齢者では、腎機能が成人の1/3~1/2に低下しています。そのため、クラビット錠の常用量は1日2~3錠ですが、1日1錠でも過量投与になる可能性があります。
 また、クラビット錠のようなニューキノロン類は、GABA抑制を阻害する作用をもつので、単独でも痙攣を起こすことがあります。症例2のようにニューキノロン類とNSAIDs(非ステロイド抗炎症剤)を併用すると痙攣の危険は高くなります。
 これらの症例は服用開始後数日で副作用が発現していることから、蓄積によるものと考えることができます。高齢者では、副作用の頻度が高いことを考慮し、副作用に気を配りましょう。

(民医連新聞 第1439号 2008年11月3日)