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副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)

副作用モニター情報〈286〉 パーキンソン治療薬による突発性睡眠の副作用に警告

2008年2月に、ドパミン受容体作動薬であるレキップ(R)(ロピニロール)、およびビ・シフロール(R)(プラミペキソール)の添付文書が改訂さ れ、【警告】の項に「突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し」という一文が 追加になりました。服用中に自動車を運転し、事故を起こした症例が集積されたため(プラミペキソール18例、ロピニロール1例)です。これらの症例には、 前兆がなかった例や、服用後1年以上で発症した例もあり、運転する患者にはとくに重要な警告です。
 ドパミン作動薬の傾眠・突発性睡眠については、03年3月の添付文書改訂で、「重要な基本的注意」に「前兆のない突発的睡眠、傾眠」が記載されました。 この時は、EMEA(欧州医薬品審査庁)の勧告と国内の睡眠発作2例、過眠1例、傾眠1例の報告にもとづく措置でした。
 民医連の副作用モニターには過去5年間に、メネシット(R)(レボドパ・カルビドパ)とパーロデル(R)(ブロモクリプチン)による傾眠が各1例、ビ・ シフロールによる突発性睡眠の副作用1例が報告されています。
 ビ・シフロールの症例は、車イスの患者で、目を開けたままの突然の意識喪失が何度か繰り返され、神経内科の医師が指摘するまで副作用と気づかれませんでした。
 ドパミン作動薬による傾眠や突発性睡眠などは、欧州や米国の調査や文献によれば、この系統すべてに認められる副作用ですが、とくに前兆のない突然の睡眠 発作は、プラミペキソールやロピニロールなどに有意に多い傾向が認められます。
 今後これらの薬剤が、心毒性が問題になっている麦角系ドパミン作動薬に代わる非麦角系ドパミン作動薬として、使用される機会も増えることが予想されま す。服用中の患者に、自動車の運転や危険な仕事には従事しないよう、十分な情報提供と注意喚起の強化が必要です。
 また、この警告が出されてから、ビ・シフロールを服用中の患者が交通事故を起こしてしまったとの報告がありました。今回のように服用中の患者にとって重 大な副作用情報が発出された場合、迅速な情報提供が行われるべきです。

(民医連新聞 第1426号 2008年4月21日)

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