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民医連新聞

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副作用モニター情報:【235】慢性腎不全患者へのバルトレックス(抗ウイルス剤・塩酸バラシクロビル)投与による意識障害

慢性腎不全患者へ塩酸バラシクロビルを投与し、意識障害を起こした症例が2例報告されました。
(症例1)30代男性で、週3回透析中。塩酸バラシクロビル1000mg/日を投与された。2日後に意識障害、幻聴、嘔吐が出現、救急受診し入院。

(症例2)60代男性。週2回透析中で、脳梗塞の既往があった。塩酸バラシクロビル1000mg/日を投与され、翌日意識障害が出現。Ⅰ-1レベルに低下し、救急入院となった。
  2例ともCT撮影では、基質的病変が認められませんでした。服用中止の2日後に症状は回復し、本剤による意識障害が疑われました。
  本剤はプロドラッグで、代謝されてアシクロビルとなり、生物学的利用率はアシクロビルに比べ50~60%高いとされています。アシクロビルによる神経症状 は、用量依存的で服用後1~2日後に発現しやすいといわれています。今回の2症例とも添付文書で推奨している用量(透析患者では1000mg/日)で処方 されていましたが、過量症状が出現しました。透析患者への本剤の至適用量は文献により異なりますが、1000mg/日では過量になる場合があることを念頭 に置き、透析患者また高齢者への本剤の投与は慎重に行う必要があります。

(民医連新聞 第1368号 2005年11月21日)