副作用モニター情報〈224〉 アミノグリコシド系薬剤の難聴の副作用について
【症例】肺非定型抗酸菌症のため70代女性に硫酸カナマイシン1gを週3回、半年間投与。耳が聞こえにくくなった、注射部位が硬結した、という訴えがありました。
アミノグリコシド系薬剤の第8脳神経障害は有名な副作用です。
被疑薬である硫酸カナマイシン注では、副作用発現のリスク要因の高い高齢者(60歳以上)・腎機能低下した患者への投与量は1回0.5~0.75gとする よう記載されています。高齢者への投与量は個別性があるため、ともすれば成人量投与で医療がされやすいので注意が必要です。
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産科・小児科などを除いた病棟では、高齢者が多く、そのリスクを抱えています。
たとえば、塩酸バンコマイシン・ループ利尿剤・白金含有抗がん剤等も、高齢者には副作用が増まる可能性があり、注意が必要です。
医薬品の供給と調剤という薬剤師の仕事のうち、調剤の概念は処方監査と医薬品の調整に留まらず服薬指導へと拡大し、さらに医薬品の適正使用推進と医薬品を 使用した患者の安全管理(副作用・相互作用回避)へと発展してきています。投与量や投与間隔、医薬品の選択などに薬剤師がかかわれるシステムも必要です。
(民医連新聞 第1357号 2005年6月6日)
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