副作用モニター情報〈220〉 塩酸リトドリン(切迫早産治療薬)による白血球減少
塩酸リトドリンの長期投与中に白血球減少(グレード3)を起こした例が報告されました。本剤による白血球減少は、重症 例は稀とされていますが、21日以上の持続投与や総量が5000mgを超える例での報告が文献上散見されます。今回報告された症例は、週1回のペースで血算を実施していましたが、4週目で急激に減少し、G-CSF製剤を適応外で使用し回復しました。長期、総投与量が4000mgを超えるようなケースでは、週2回程度の血算を実施するなど白血球数に注意し、3000/mm3を切ったら早めに中止することが必要です。
【症例】 25歳 妊娠30週
切迫早産で、リトドリン錠15mg/日の内服を開始したが改善せず2日後に入院となる。リトドリン注100mg点滴静注開始し13日後200mgに増量。投与開始から29日目に白血球数が1500/mm3となり、リトドリン注を中止しズファジラン注に変更、さらにマグネゾールを追加、さらにノイトロジンを4日間使用し5500/mm3まで回復し36週で退院。以後は経過良好、40週6日で正常分娩した。
投与期間(日) |
3
|
15
|
22
|
29
|
|||
〔中止後日数〕 | 〔4〕 | 〔9〕 | 〔16〕 | ||||
リトドリン総量mg | 400 | 1600 | 3000 | 4400 | |||
白血球数(/mm3) | 8500 | 6600 | 4800 | 1500 | 5500 | 8800 | 7700 |
(民医連新聞 第1353号 2005年4月4日)
- 記事関連ワード
- 副作用副作用モニター情報(薬・医薬品の情報)